クローバー
夏嶋 真子




ななつ葉/僕 

ねぇ、君は「無限の幸福」なんてものを信じられる?

今ココに確かに存在しているんだ
無限の幸福/ななつ葉  
のクローバーが。


子供たちがサッカーで遊んでいる、
何の変哲もない昼下がり

水平線という水平線、
地平線という地平線をつないだボールの上の
砂粒一つにも満たないようなこの場所で、

のんきに風にゆれる7枚の葉っぱの上が
すべての幸福の所在だなんて、

そんなバカバカしいことが信じられるかい?


一体何を伝えたらいいんだろう。
心は一瞬も言葉を離さない。


葉ら、葉ら、葉ら、葉ら、はらっぱを

自由にかけまわる意味たちを
僕は追いかけている。
それは結局、君を探すのと同じ。


ななつ葉を探すうちに、
よつ葉は当たりまえになってしまったよ。

当たりまえになってしまったんだ。
          

僕は今日も君に伝える言葉を探し続けている。





よつ葉/わたし

ねぇ、キミは覚えてる?
子供の頃、ここで大ゲンカしたときに、

「100数えるうちによつ葉をみつけてくれなかったら、
もう明日から遊ばない。」

って無茶なことを言ったら、キミはたった45秒で
よつ葉を2つ差し出して

「ごめんね。」
って言ったの。

そう2つ。
よつ葉の幸福よりも、あふれた分のキミの気持ちがうれしかった。



葉ら 葉ら 葉ら 葉ら はらっぱで

何度もよつ葉と目があうの、まるで当たりまえのように。

わたしは、それを摘みとって
ありふれたものの中に、当たりまえの幸せを活けるの。
いつかキミはこの花に気づいてくれるかな?



ななつ葉、見つかったの?

でも今度は 12つ葉/真理 を探すんでしょ。
あまりにもキミの好きそうな言葉だから、笑っちゃった。


ねぇ、もしもキミの世界が 12つ葉/真理 だらけになったら
わたしのそばにいてくれる?

わかってる、
それでも、キミはまた何かをさがしはじめる。





だけど仕方ないな。
わたし、キミのそんなところが、好きだから。






携帯写真+詩 クローバー Copyright 夏嶋 真子 2009-03-30 18:57:02
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