片道書簡
水島芳野



青い鳥に似ている
君の姿は。
たとえば星のように
土のように
風のように
月のように


気づけはしない
瞼をあげなければ
いつも。

夜は僕にくすぶったまま
朝焼けを連れて来る

磔にされた宛先不明の手紙を
焼き払うかのように。

この手は振り払っていってね
僕がいなくても大丈夫
何もかも優しいはずだ
美しい世界であるはずだ

君にだけは。

祈っている

瞼をあげれば
いつだってそこにいるよ

祈っている
(Remenber Me)

でも忘れてね
僕のことはいつか忘れてね

火にくべてしまっていい

誰かにとってはくだらないだけの
僕の言葉も。

いくら押し隠してみせても
所詮は僕も不幸気取りだから

こたえられないなら
唇だけ動かすのはやめて

聴いて

君として

見て

君として

、…。


羽音がするよ。


君と僕の
心臓のような。


すれ違ったまま枯れた花

美しかった。

本当はすべて知っていた
本当は信じてみたかった
本当は気づいて欲しかった


それはたしか


君の名前。


携帯写真+詩 片道書簡 Copyright 水島芳野 2009-03-21 12:30:02
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