家出したくなる時
白糸雅樹

欠けた皿や茶碗を
もったいないから、とそのまま使う
いっそまっぷたつに割れてしまえば
いや、こなみじんになってしまえば諦めもつくのだが
普段使いには支障ないから、と、貧乏性
 
荒れた生活そのままの
その象徴のような欠けた皿
もう見たくない

台所をあとにして
もう、二度と帰りたくない
 
皿を洗う
皿を洗う
欠けた箇所で怪我をしないように注意しながら
皿を洗う

                           

2009.3.16


自由詩 家出したくなる時 Copyright 白糸雅樹 2009-03-17 00:27:54縦
notebook Home 戻る