ねぇ、それはなんなの?(謝罪にならない謝罪と僕のポエトリーリーディング感)
プル式
前置き
僕の詩には声が必要だ。この事に関しては繰り返し、今までいろいろな場所で述べている。多分、僕の詩自体にまだ、力が足りないからなのだろう。文字の力だけでは足りず、音に頼っている。そんな自分なのに、先日、表現に関しての云々を述べた事に、平和であるべき表現のオープンマイクのトークでそれを行った事に、まず、非礼を詫びようと思う。ごめんなさい。しかし、自分の事をさておき、一表現者としての立場でいうなら、僕は全く反省などしないし、これからもしないだろう。まぁ、本人の私感で、こうありたいって事なのに押し付けがましい僕がうざいのだろうけれど。
本編
先日、某所で行われたポエトリーリーディングの事。女の子の約半数が、セックスや性器や自慰行為についての詩を読んでいた。少し前から気になっていたのだが、そういうのって『言ったもん勝ち』みたいな空気があるとおもう。それ以外でも、恥部をさらして『私は裸です』という自己啓発みたいな『私人間です』みたいな。その日のフリートークのテーマが、『ロックな人とは○○な人、詩人とは○○な人である』だった事もあり、そのリーディングの日の僕の順番が、割と最後の方だったので、その事に触れた。その事以外にも触れたのだけれど、触れた内容が、僕から見た『ポエトリーリーディングのはやり』で、それはネガティブなものだったので、少しばかり、その場に居た人を傷つけたのかも知れないし、少なくとも不快感を与えたらしい。まず、フリートークのネタとしてその日に書き留めたものを、出来るだけフリートークそのままの内容で、まず記載しようと思う。
「やわらかに毒をはこう
ロックはハート、詩は心
ロックは生き様、詩人は生き方
ロックはデリヘルでデリ嬢になって後悔もしなくて性を真っすぐに生きている人、詩人は性とかセックスとかオナニーとかおちんちんとかそんな事ばっか言って真っすぐ前を見ていないハズカシガリ屋シャイボーイ&シャイガール
みんな帰ってて良かった。言いたい人は大体帰ってるみたいだし。デリヘルの雑誌を作ってるんですよ。だからそんな事思ったのかもです。
早口とか演劇調とか、もうしんどいわ。歳かね。これでも20年くらい芝居してて、長いだけになって辞めたクチ。だからね、勢いだけのはつらいね。もう判ったからって思っちゃうね。思っちゃうんだよ。
ロックは挽かれたコーヒーの豆、詩人はドリップされた一滴」
〜以降詩の朗読に入る
人間には男と女があって、そこにはもちろん性があって、だから流行とか、そういう物じゃないよ、と友人に言われた。そんな事は判っているつもりだし、そこを言いたいのでは無かった。誤解の内容は、僕がそういう詩が嫌いだから言ったと思われた事だと思う。僕は別に嫌いじゃない。ただ、あまりにも毎回そういった空気が強いので、流行ってどうなの?って思ったから言った。それでも貫いて、その先を目指すなら、別に僕がどうだこうだと言うべき物じゃないし、言う権利もない。書きたい事がそれなら、それを書けばいい。流されないで。それが自分の言葉なら。
演劇チックなのとかってくだりは、僕がそういった世界に一時でも身を置いたから思うのかも知れない。先日、別所で書いたのだけれど、演劇界ではやった早口、勢い、身体表現(これも語弊がある事は認めるが)は、今のポエトリーリーディングのパフォーマーに大変受けがいいみたいで、結構使われるようだ。ただ、それは演劇人の間ですでに出尽くした感のある議論で、現在はそこまで使用されない。それは、ぞうきんを洗うときに、蛇口で勢い良くでた水で洗うか、バケツにためた水でじゃぶじゃぶ洗うか、という事ににて、勢い歯切れよく流れるのは確かに心地いいが、しみ込む間が無い(無いとは言い過ぎだが、筆者はそう思っている)のに対し、バケツは、もどかしく、心地よくないかも知れないが、じっくりとしみ込む。詩の朗読で目指す心地よさは、音の心地よさよりも詩の内容であってほしい、と、僕は思っている。だからこそ、性とか勢いとか、そういう、衝撃を与える事が強い物に頼らず、しみ込む詩を目指してほしいと思った発言なのだ。多分、性とか勢いというのは、入り口が判りやすいだけで奥がそこはかとなく深く、どんどん先に進めばしみ込むのかも知れない。今それが出来ないからと言って、やはりそこを突っ込んだのは謝るべきな気がしてきた。いや、申し訳ないです。いや、決して馬鹿にしてないし、喧嘩も売っていない。僕の事を知っている一部の人間なら判るかもしれないが、僕は事なかれ主義だ。日常での思考も。ただ、その裏にある思考は別で、良い事も悪い事も併せ持っている、とだけ書いておこうと思う。
最後に
このページを読まれて、不快な思いをされた方、あの場で憤慨をした方、その他、苦情云々、ご迷惑をおかけした事を謝ります。
パフォーマンサーと詩は明らかに別ジャンルなのかも知れないとようやく気がついた午後に。