無人駅にて
ゆうと



ぼくの頭の中の目覚まし時計は鳴り響く
急いで飛び乗った電車は回送だった
、なんていう
そんな間違いをしたくないので
ぼくは終電を見送った
それが間違いだったかもしれないけれど
ぼくは終電を見送った


脱線した線路
ぼくが歩く道は
どこまで続いているんだろう
たまに
廃線になった線路を見つけるけど
誰もいないからあてにならない



無人駅には猫がいて
無人駅には猫がいて
晴れたり曇ったり
たまには泣いたりだってする
ぼくの上には空がいて

無人駅には猫がいて
無人駅には猫がいて
それと空とぼくがいて
それだけで生きてゆけた


それは
ぼくだけじゃないから
世界は
それだけじゃないから


井の中の蛙、
だけど知っている

みえないものも
たしかにあるから


ぼくは
生きてゆけるんだ





自由詩 無人駅にて Copyright ゆうと 2009-03-10 17:25:09縦
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