溺れたウサギ
愛心



喉に流れ込み
触れては弾ける小さな花火

光に透かして
揺らぐそこを見つめると

まるで

そのときをたゆたうような
はたまたくうを泳ぐような

淋しがり屋特有の錯覚に陥る

ひとりでも平気

なんて笑うけど

本当は誰よりも
『人の熱』が愛おしくて
欲しくて 欲しくて
たまらなくて

その癖

甘ったるい砂糖菓子みたいな
べたべたした雰囲気は
心体からだがついてこれなくて

本当に 本当に

わがままで ごめんね

でも わたし
独りぼっちの無音の水底では
呼吸の仕方が分からなくて
きっとそのまま
たゆたってしまうから

精一杯
愛くるしくなるから

別に
無理しなくていいから

もし水底にわたしがいたら
何もいわず 引き上げて
甘美な酸素を吸わせてください


携帯写真+詩 溺れたウサギ Copyright 愛心 2009-03-02 23:44:01
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