ふるえる糸
あおば



                 090226




キュウバンナンボということばを読んで
急場の堕落をイメージしたことはない
旧番は何だったんだろう
急な改革が続く日々の中
鮮明な記憶を辿る日々の憂い
忘れてしまったよ
君、教えてくれないかを
ストレートに言えなくて
鬱屈した胸の内を
ラテンの軽いリズムに潜む
遙かな太陽への憧憬が
からだの中に無意識の振動体を植え付ける
軽やかで逞しく強烈で荒々しく
その時に感じたリズムがいつまでも続き
明日の希望をつないでいるような
キューバンリズムの楽しさを
君は知っているかい、と
ふってみる
そう来たか
常套手段だね
詰め将棋なら
子供の頃から馴れている
ふるふるふる 砂金振る
ぶるぶるぶる 身体ごと
振動体の律動に
ケータイ電話も楽しそう
現在の英雄は射殺されて
褐色の弾丸に貫かれ
無駄語らしい大地に
その五体を曝すのだ
太陽は輝いているが
君はそれに馴れているかい



自由詩 ふるえる糸 Copyright あおば 2009-02-26 05:35:41
notebook Home 戻る  過去 未来