掃除機
アオゾラ誤爆

真昼になると
饒舌になる空の色
僕は嫌いだ
昔から夜のほうがすき
もっと細やかに
動いている光の粒子を
眺めたい
窓越しにでも

ほら
手足がしびれても
誰が呼んでもふりむかない
そういう認識で合ってる
憧れはいつまでも遠い
この胸の底
強い意志の他に
持ち合わせているものは
大気の波を知る弱さ
優柔不断は前世から
そう言わないとやってられない
寒そうな頬

君は他人に壊された心が
虫のようだと
小さく笑う


――君もその足で走ってゆけば遠くへゆけるのに!――


平らな視界
双方向へ伸びる銅線が
まるで線路みたいです
先生

この青いのが
スイッチだということは判ります
僕にも押すことが出来ました
だけど
オンにしたのかオフにしたのか
判らないんです
先生


冷たい窓には誰かの手形
息を吹きかけては
興味深い絵を描くように
泣いている

金網で囲われた世界
100mも見渡せる
カレンダーの中みたいな
隔離された町だった
赤や青の点々は
誰かの思想の破片
たまに発光するけど
使い道はないから
すなわちゴミと解釈して
まちがいない
まちがいないです


自由詩 掃除機 Copyright アオゾラ誤爆 2009-02-25 19:34:58
notebook Home 戻る  過去 未来