びー玉

おさないたましいが
いつまでも浮かんでいた とき
すべてが凪いでいた
まっさらな夏の日


あさい角度でそそがれる
いまにも壊れそうな
まひるのほしのひかりが
あたためすぎた布団から
とびでた足をひやかして
抱きっぱなしでいたおもかげの
輪郭を すこしだけ
あわくする


さめない
きずあとにも
かすかな夜明けが訪れるように
やましい
ときめきにも
かたえくぼのほほえみ


ぶしつけであらい口笛も
とおりあめほどの速度で
地面をすべり

みどりのかかった夏の目が
おそいまばたきを繰り返し
なんにも見えない
ふり を する




未詩・独白 びー玉 Copyright  2004-08-19 01:22:06
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