非WEBのススメ(1)
前澤 薫
−“Bookmark中心主義”から“検索中心主義”へ至る仮説−
「現代詩フォーラム」という、詩を投稿するSNSに、昨日から投稿し始めた自分が言うのも何だが、非WEBのススメを問うことにしようと思う。
試行錯誤の上で組み立てている軽い読物として読んでいただければ幸いだ。そして、一つの仮説としてこの文章を書く。
私が、WEBや携帯コンテンツの仕事に携わりはじめたのは2001年くらいのことだと思う。(今はすでに辞めてしまったが)。だが、今はその時とは状況は目まぐるしく変った。WEB2.0という現象である。その現象が、WEBを快楽へと誘い、その快楽が日常と化した“液状化”現象であるともいえるのではないか。そう“ダルダル”なのである。
WEBを閲覧しているすべての人がそうとは言わないが、下記のような変遷を辿っていった。そのような傾向があると思われる。
2001年当時。様々な形でWEBが普及しはじめたが、当時はまだまだせいぜい早くてISDNが走り始めた時代であり、まだまだ今と比べてナローバンドの時代であった。今のようにつなぎ放題でいられる時間も人も限られていた。そこで、WEBを閲覧する人が行ったのは“Bookmark中心主義”なのである。ダイレクトに、お気に入りのサイトに、自分のお気に入りの箇所をブックマークし、ネット代を節約していた。検索するのは、最初だけで、あとは例えばニュースサイトであれば、アサヒ・コム、快楽を追求するならせいぜい2ch。それぞれのジャンルに対し、ブックマークは多くて3つ程度で、そこを訪問するだけで終わりとするような状況である。何故ならつなぎ放題でいられない人が多かったためである。そして、サイトを横断するのは殆どの場合、ブックマーク箇所からブックマーク箇所。たまに検索して新たなサイトを発掘する。その繰り返しである。
では、今はどうだろうか?つなぎ放題となった。ADSLや光ファイバー等を利用し、安価でつなぎ放題となる図式となった。そして回線は太くなった。そこで“ダルダル現象”が始まる。なんでもありとなった。確かに閲覧者はブックマークを沢山していると思う。一部はそのブックマークを利用しているものもあるだろう。だが今あるのはこういう傾向があるのではないか。ブックマークを無視して、googleなどの“検索中心主義”に移行している。サイトは横断し放題の中、嗜好も自分で選び放題となる、究極はRSSの登場である。そこにWEBの快楽、もっといえば中毒が蔓延り始めているのだ。
(2)ではその快楽、すなわち中毒の現象のどこが問題であるかを綴りたいと思う。また逐次改変することもご諒解戴きたい。