存在証明
ゆうと



飛んでく
飛んでいくのは
ぼくではなくて
ビニール袋で
ビニール袋の
ぼくである



風が強いな
それでも飛ばされない
ぼくは強いのか
、いや

ぼくは弱いのだ
どうしてかそれだけは
ぼくは充分に
知っている気がしている




こんなのは簡単に
ゴミ箱に捨てられるような
紙くずだ
それでもぼくは
握り締めている
それに、
意味はないのだ
これっぽっちも
意味などないのだ
だけどぼくはそれに
価値があるような気がしている
値段やレッテルなんかじゃない
定規や計量スプーンなんかでは
到底はかれそうもない


だから
あなたの目には
映らないかもしれない
だけど
ぼくの目には
映っている



ぼくに、
存在理由がないように
存在価値などないけれど

ぼくにとって
ぼくというものは
とてもたいせつなものなんだ
くらべることのできない、
かけがえのないものなんだ





、つまるところ

結局ぼくはぼくでしかなく
結局ぼくはぼくにしかなれない
そしてぼくは
ぼくにしかできないことがしたい
結局そういうことなんだ



ぼくは、ぼくでしかなく
ぼくは、ぼくになりたい
ぼくは、ぼくであるために
ぼくは、ぼくのままでありたい


そして

きみは、きみのままでいい
きみは、きみでいればいい





、つまるところ

これが「存在」というものなのだ





自由詩 存在証明 Copyright ゆうと 2009-02-14 02:17:40縦
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