鳥の便り
西尾

  明日 でかけよう
  あの人の街へ
  もう冬が終わるからでなく
  もう春が来るからでもなく
 心揺さぶるものにしたがい
  わずかな荷物で乗り込もう
  鳥の名前の列車
  舞いこんだ 白い手紙は
  冬の終わりでもなく
   春の便りでもない
  ぼくの胸の鼓動も
  かすかな希望も
  背負った不安も
  銀色の巨体にのみこまれてしまおう
  鳥のようになれるだろうか
  突き刺さる残冬の風に
  目をとじずに行けるだろうか


自由詩 鳥の便り Copyright 西尾 2009-02-03 18:42:02
notebook Home 戻る  過去 未来