冬色
宣隆
「もういいよね」って
風の色を
真似した僕は
揺れる足跡
置き去りにして
手のひらに落ちた
雪が色を
失うような
いつもの道に
残した言葉
ほどけた靴ひもを
結ぶことさえ
できないくらい
精一杯の気持ちで
歩いていくことが
あの頃の僕らには
全てでしたよね
沈む足音と
冬の色が
重なる夜は
今でもやっぱり
躓くのです
自由詩
冬色
Copyright
宣隆
2009-01-07 20:51:13