サイレンス
石畑由紀子

上皿の落ちぬ程度の揺れならば均等と呼ぶ 胸に天秤



満水の体育館で耳鳴りがしてからずっと水底に居る



液晶を両手で包む二十五時 言葉はなにを伝えるだろう






抱き合った指先でしかひろえない音調で哭く 《私を、《見つけて、






安静という名の猶予 手のひらには確かなものが確かなままに






引力と遠心力が釣り合って愛という名の静けさを、知る









短歌 サイレンス Copyright 石畑由紀子 2008-12-26 23:28:35
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