オレンジと白い手
ゆうと


吐く息が、
薄く、
うすくなっていって、
きみはぼくが死ぬのだと、
気づいたらしい、
ようやく、
ようやくまぶたを閉じれるようになった、
その頃、
きみのナイフが、
太陽を剥いた、
きれいなオレンジ、
白い手、
目が離せなくて、
じりじりと、
脳裏に焼きついていく、
鼻につく焦げた臭い、

――「人違いです」

ぼくは気づいた、
ようやく、
ようやくまぶたを閉じれるようになった、
その頃にはもう、
すべてが灰に、
灰になっていたんだ、




自由詩 オレンジと白い手 Copyright ゆうと 2008-12-16 23:05:26縦
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