もしくは、ため息
ブライアン

全天候では歓声に湧いていた。
もしくはため息。
ゴールラインを越えた男は
倒れこむ。雨は降っていた?
少し濡れてるね。
両手は宙に。それは、
空のためではない。悲鳴のように叫ばれた、
彼の名前のためだった。
もしくはため息。
遠い昔だ。男を呼ぶ声が、
用水路へ落ちた。
びしょびしょに濡れた声は、全天候の
競技者たちに混じっているはず。


自由詩 もしくは、ため息 Copyright ブライアン 2008-12-14 22:03:09
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