とても小さい頃、小学校に上がる前に書いた日記を読んだ。
「"雲"を辞書でしらべた。がっかりした。」
空気中の水分が凝結して、微細な水滴や氷晶の群れとなり、空中に浮かんでいるもの。
たぶん、辞書にはこんなことが書いてあったんだろう。
個々の言葉もよく分からなかった私は、何回も何回も辞書を引いて意味を理解しようとした。
その作業は好きだった。それは覚えている。
自分の世界が広がる感覚が心地よかったのかもしれない。
ただ、理解した先にあったのは達成感と、少しの寂しさだったらしい。
雲に乗ることや、手にとることは不可能なのか、と。
私は知識を増やすことは嫌いじゃないし、知識の多い人は素敵だと思う。
(そういう人に惹かれるということは、私はまだまだ物を知らない子供だということなんだろうな)
ふと考えてしまう。
私が今していることは、夢を塗りつぶして書き換えているだけなんじゃないか、と。
だから何、と聞かれても困っちゃうけれど、こんなことを考えるのも大事なんじゃないかなって。
昔の日記はたまに面白い。