仮名書き
あおば




               081103

冗長度の高い黒髪を梳かすときに
クロネコの背中が見えた
クロネコは背中を丸め
3メートル前を走ってゆく
大馬力のハーレーだから
すぐに追いつくと思ったら
大間違い
軽い車体に
JAPのエンジンを積んだクロネコは
オーバーヒートに縁が無い
身軽な身の上
強い心で
ひょいひょいひょいと
半円描いて引き離す
なんだかねと言いながら
跡を付けてゆく男の背中の
冗長度の高い黒髪にシルバーが混在して
絡み合って
すでに解くことができなくなった

分かりやすいように
仮名書きで書いてあるからと言って
油断したのが悪いのだと
大敵という文字を漢字で書いて
手のひらに載せてから
細かくちぎって
風に飛ばしてみよう
静かな夜明けが期待できるような気もする
達筆な君の黒髪



自由詩 仮名書き Copyright あおば 2008-11-03 23:10:16
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