黒点
石畑由紀子

指組みのように身体を絡めゆく 二人で今日の夜空をつくる



ひとつずつ舌でたどれば直列の熱に融かされてゆくビイドロ



「ねえ、君にアイスピック突き立てたらブラックホールができたの、夢で」



指先でのぼりつめてくホウセンカ声としなってぜんぶ、弾けた、







いつかの血飛び散っている左胸 君は眠らぬさみしさに咲き







積もる、夜は空耳ばかり 太陽を見つめたあとの死角にも似て



身を守るすべを知らないアルビノのままに痛みを抱きしめている







どのひとも愛でた谷間の黒点が薄れ消えたとき君と出逢った








短歌 黒点 Copyright 石畑由紀子 2008-10-23 01:16:42
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