紅い意図
雄太

花が咲く夜に唄は途絶えて
変わらずの奥底に怯えては
憶測の旅が不惑の夢に落つ

目覚めの明かりに眩暈して
水辺の香りに絶えたのは誰
食んだのは震える袖と小指

くるりくるり硝子細工の肌
触れたなら割れてしまうわ
吐息は暖かく気色悪い水面

纏う布切れは風に舞い泳ぐ
もろい涙が溢れ零れ割れた
花が散る夜に唄が響いたら

口付けた遥か遠い夜の記憶
くるりくるり硝子細工の肌
花が咲く夜に唄は途絶えて

花が咲く夜に唄が途絶えて


自由詩 紅い意図 Copyright 雄太 2008-10-19 22:10:26
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