創書日和「声」 きこえない声
ゆうと


きこえない
きこえない声を
ずっとぼくはさがしている
なんのたよりもないから
なんにもできていないけど
ずっとぼくはさがしている
空と海とのすきまかなんかに
ひっかかっているような気がして
太陽がしずむのも のぼるのも
見届けたけど きこえない

あああって
ぼくは声を出してみるけど
きみがきこえている声と
ぼくの声とはちがう
らららって
きみが出す声は
ぼくがきらいな声にすこし似ているから
すきだ

きこえない
きこえない声は
ぼくの、ほんとうの声
きみがきこえている声じゃない
ぼくの、ほんとうの声で
ほんとうのことを伝えたい
ほんとうのことを、




自由詩 創書日和「声」 きこえない声 Copyright ゆうと 2008-10-16 19:04:37縦
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