僕たちは何て変わった生き物なのだろう
そうだ長い長い筒に入ったうなぎなんだ
レイモン
君は母娘と歩いていた
音のない風がうなじに触れると
何故だか急に口笛を吹きたくなった
何故だか急にだいだい色のやかんが飛んじゃったりして
夢だと分かるんだ
レイモン
まあゆっくり座って
ブラジャーでも眺めていたまえ
ピンセットでインセクトつまんで
えーっとそれから何だっけ
ほら風が吹いているよ音もなく
こうして目をつぶっていると
気持ちがいいじゃないか
でもいつも偏西風なんだよね
いずれにせ
よ
言いたいことだけは言っておく
よ
最も単調な事実の中にさえ偉大な空想は飛躍するが
偉大な空想の中には最も単調な事実さえ存在しない
よ
いーよ いーよ もーいーよ
いーよ 言ーよ 最ー偉ーよ
それと
君のマルトに対するやり方は
あれだな
つまりそのぅ
塵だ
ちりも積もれば関の山
ちょっと違ったかな
まあいいや
ほらごらん
きみはこの劇の主人公
しかも脚本家
だけどきみは脚本の中身を思い出せない
その時が来るまではね
さてレイモン
君は父娘と歩いていた
音のない風が陽炎をくゆらすと
何故だか急にせんべいを食べたくなった
何故だか急に草加煎餅を食べたくなったんだ