よっしゃよっしゃ、詩の良し悪しや
キリギリ
批評とは渡り鳥の視点である
批評とはぬくもりを求めて彷徨うハーメルンの笛吹きである
批評とはスーツを着た読書感想文である
批評とはD.I.Yの折り畳みチェアである
批評とは仲間はずれの武力介入である
批評とはグルメ番組における阿藤快ではなく彦麻呂である
批評とは歩行者天国のガードレールである
批評とは巻き尺を繋ぐリレーである
批評とは全国高等学校壁打ちインターハイである
批評とは連れ子である
批評とは裸体に貼るモザイクである
批評とはロンダリング失敗の使途不明金である
批評とはツンデレである
批評とは姥捨て山の女王である
批評とはキマラメ盲学校である
批評とはまぁ概ねそんなものである。
我々は階段を上っているのだろうか。ここは平野かもしれない。
押し上げられているのか突き落とされているのか知らないが
ともかく背中にかかる他人の力にイライラする。詩人は勃起している。
しばらく黙っていてくれないかもうすぐイキそうなのに遠くから
やれあの女は乳輪がデカ過ぎるとかくびれがないとかベルダンディーを
主軸に据えた童貞どもの女体批評が僕のリビドーをいたずらに惑わせる。
他人の言葉で遊びませんか?枝を折って。枝を折ったのは僕だ!と
叫ぶ素直なワシントンボーイよろしく自らの名を持って他人の枝を
折りませんか?僕はやらないよ。他人のふんどしで相撲を取るなんて
気持ち悪くってね。せめて洗えよ。ボールドで真っ白に。舐めれる
くらい綺麗に洗え。
開かれた個室というマジックミラー号を覗き込み我々は何か言う。
聞こえるかもしれないし聞こえないかもしれない。傷つけるかも
しれないし傷を治すかもしれない。我々の立場はさまざまで、揚げ足取りに
情熱を燃やす男を止めることは誰にも出来ない。彼のイカ臭い部屋に
押し入ってビンタすれば止められるだろうが私は彼の家を知らない。
僕らは離れているのにこんなにも近くにいるね。いないかもしれないけれど。
言葉だけが近くて身体は遠い。身体が遠いっちゅーことは脳みそが遠い
っちゅーことだ。哀れ切り離された言葉だけが此処に集うのよ。此処に。
電子の海を陳腐なイメージ映像に乗って渡り辿り着いた島だ此処は。
色気のない日常生活の突端または窪みに染み出た液体を見よう見まねで
結晶化したものが新芽のようにちらほら出ばっている。あぁほっかむりを
して耳を塞ぎたいねまるで牧歌的なそれは既存の商品棚に並ぶ代替可能な
風景画まるで100均のインテリア。叫ばなくなった魂がべルコンのように
運ぶ小6装置。光がキレイ花がキレイ緑がキレイ私がキレイ。もともと
特別なオンリーワン売り場で細かな差異をしつこく訪ねる中年夫婦みたいに
迷惑な批評家がポイント還元を求めている。何の役に立つた誰の為になつた
風に意味を聞くのか空に問いかけて答えが返るものか海は死にますか山は
死にますか山田はどうですか竹田もそうですか知ってますえぇ知っています
誰かの三つ目を開眼させたくてオデコに口付けるレバー引けば見える
新しい世界は今までよりちょっと上から目線。背伸びをすれば見えていた視界と
引き換えに手に入れたのは他人からの奇異の目。そんじょそこらのカリスマ。