拝啓、ムジーク
nm6

 
 
 
 
拝啓、ムジーク。音楽的な夜が、ルララルラとやってきます。コルゲンのようなうずら卵のような、つるりと白く圧倒的にやわらかく飛び散りそうな、つきぬけてせつない月。ぼくらはぼくらなので、「ほら見たことか」をすり抜けて、ちょっとだけ痛くてセンチメンタルで締め付けてキリキリの、花なのです。研ぎ澄まされたリズムにルララルラのメロディー。さあぼくらは仕方なく、ポケットのヴァイブに吸い付くように研ぎ澄まされている。


拝啓、ムジーク。音楽的な朝が、タリラリラとやってきます。起きぬけの珈琲のような自転車の風のような、さくりと青くさよなら過多で飛び散りそうな、つきぬけてせつない空。ことばはことばなので、「そうやって全てを」を嘯いて、ちょっとだけ痛くてドラマティックで嬉しさのスレスレの、花なのです。踏み損ねたグルーヴにタリラリラのメロディー。さあぼくらは止まらずに、イメージとスピード感と加速する妄想を、忘れないうちに。




このまま、こうしてずっと続くよ。
永遠にセンチメンタルで、ちょっとだけドラマティック。
ムジーク。音楽、音楽。




拝啓、ムジーク。音楽的な嘘をつこう。ルルル、振り返ればル、ループするエイプリルフール、ル。つるりと白く圧倒的にやわらかく飛び散りそうな、つきぬけてせつない月。さくりと青くさよなら過多で飛び散りそうな、つきぬけてせつない空。こわがらないでいいよ。ちょうどいいよ。センチメンタルで締め付けてキリキリの、ドラマティックで嬉しさのスレスレの。研ぎ澄まされたリズムに踏み損ねたグルーヴに、拝啓、ムジーク。さあぼくらは踊りだそう、欲しいのは正論じゃない。ルララルラとかタリラリラとか、せいぜいそんなんなんだ。


自由詩 拝啓、ムジーク Copyright nm6 2004-07-26 02:52:41縦
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