仔猫
あおば

         080721


空気がくれた
赤ん坊
(優しい目をして
(見つめるから
(つい油断する
(本当のことは
(誰にも言ってはなりません

空気が
足らないから
返しておくれ
猫が生意気を言うから
振り向いたら誰もいない
空耳かと思ったら
盲点の中に隠れたものが居て
そいつが呟いたのだ
空気のように透明なものは
自由に取引できるのだと
水の都から大船で運んできた
精製水
雨水は不純だと言いたげな青春時代
荒唐無稽な妄想を繰り返す欲求不満
コンクリートの強度を知らないで
模擬装置に頼る空気の性質

シュミレーションと
シミュレーションの違いが分からなくて
シミィレーションと覚えた過去の時代が
Simulationのスペルを呼び覚ます
混沌とした時代の花形はいつも大嘘つきの○○野郎だ
あぁ!
((感嘆符を用いることなかれ
空気が抜けた地球を
元通りにするには
何回エアポンプを踏めばよいのか
((自転車用の場合は手で押し下げるので願い下げですが
君!
計算してくれないかと
言われないかと
心配しているうちに
空気が貴重になって
奪い合いになって
隠す人も現れて
50年は持ちませんが
合い言葉になって
(空気を作るのはお金が掛かるから
(合成は後回しにして
炭酸ガスを犠牲にして
とりあえず酸素は確保した
窒素はどこにあるかというと
そこではなくて
ここにあるのです


自由詩 仔猫 Copyright あおば 2008-07-21 04:32:39
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