三時間後
あおば

            080630




真っ暗な中で
三時間毎に目が醒めて
ぼんやりとする
生き返ったのか
それともまだ眠ったままなのか
活動すべき時は今なのか
それとももう過ぎたのか
考えてもわからない
枕元のリモコンスイッチ
ポチッと押して
明かりを点けて
掛け時計の動きを目で追った
秒針が
動いている
長針と短針の区別は定かでなく
時刻は不明
メガネを探して
長針と短針の区別をつける
時計の針を信じている
三時間が経っていて
もうじき夜が明ける
三時間後には
町中が動き出し
鳥も虫も気配を示す
自動車も押し寄せて
三時間後には
私も
歩いているだろう
予測を信じて
明かりを消して
眠りについたが
三時間後の天気予報を聞くのを忘れ
もう一度目を覚ます

いつのまにか
三時間後が今となっていて
外を見ると
鵜の目鷹の目と
目が合った
歩いているはずの私が
まだ眠りたいと思っているのを
監視しているのかと
少し怖くなる
時計の針は
顔を洗う猶予も与えないが
髭を剃る猶予も与えないが
冷たく無視する
顔を洗い
髭を剃って
水を一口飲んで
外に出て
鵜の目鷹の目を
退治する
三時間後には
腹が空いて
ふらふらになり
腹の虫が鳴いている
はずである




自由詩 三時間後 Copyright あおば 2008-07-01 00:12:31縦
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