約半年の滞在期間を終え、彼の帰国が近づいたころ、街で行われた国際交流フェスティバルの会場で私を迎えてくれた彼はミャンマーの民族衣装をまとっていた。ロビーに飾られた国旗の前に端正なおももちで立ち、私はそれを写真に収めた。晴天のなか、敷地内の広場でビートルズやジョンレノンを歌い、場が盛り上がったころ、彼は誰かのギターを借りてカーペンターズを弾き語りはじめた。『TOP OF THE WORLD』だったと記憶している、一緒に口ずさむもの、手作りのマラカスを振るもの、青空の下、それぞれに違う肌をした者たちがひとつの歌をかこみ、笑顔で満ちていた。広場はちいさな幸福そのものであった。