ビスケットボール
あおば

            080625




(ろくろの革を膨らます)

騰貴マネーが
ブリリアントな
ダイアモンドを
投げるのだとさ
どこでと問えば
とろろとろろと
ろれつが回り
ろくろの革を
膨らます
炎のような
男たち
駱駝に跨る
男たち
護身の刀を
見せつける
乾いた大地の
物語り
ゴビの砂漠と
サハラ砂漠と
ナビビア砂漠
鉄隕石の重たさと
緑に映える八重桜
花につながる縁が
綽名ナルニアの
共和国

バレルの底を
のぞき込み
石油臭い残りの粉を
掻き集め
ビスケットに捏ねながら
堅い石臼投げつける
怪力の美少女たちの
パワーの秘密を嗅ぎつける
オリンピアのコーチたち
役者が一枚上手だと
バレルの承知で
高速写真で盗み撮り
弾劾裁判公判中と
罷免罷免と燻った
議員宿舎が燃えだした
ピカピカゴロゴロ
ストレートの
サイクロン
渦を巻き転がり落ちる
共和国のピンボール
右や左の候補者と
月光仮面のマスクの裏側
ハリケーンにまたがった
冷たい眼をした
タイフーン
パワーの秘密も粉々に
なんまいもなんまいも
ビスケットを焼きながら
ボールで芯を堅くする
オストラキズムの立役者





初出「poenique」の「即興ゴルコンダ」





自由詩 ビスケットボール Copyright あおば 2008-06-25 18:53:08
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