伝えたいという気持ち
umineko
私をこの場所に向かわせるもの。ということを考えてみました。表現。表すこと。現れること。
一青窈さんの、コンサートに行きました。「ハナミヅキ」や「もらい泣き」など、バラードの得意なアーティストさん。名前の通り、台湾生まれ、そのあと小学生の頃に日本にやってきたそうなんですけど、なんての、「伝えること」に対してすごく貪欲なんですよね。
おそらく。ことばとか、慣習とか、押しつぶされそうになる弱さと戦いながらの、今日までなんだろうな。
そして。歌いながら、孤独。
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伝えたいって気持ちは、たとえば、単一波長で放射される、夜空のレーザービーム。迷いもなく、強く確かなもの。彼女を動かしているのが、その境遇や遺伝子だとしたら。私にはなんだろう。私の何を、なんのために?
私のこころの保存用量は限りがあるので、インプットが多いと、すぐあふれてしまう。恋ごころ、などはその際たるもので、日々秒単位で入力されるものだから、いやおうなしに外へとあふれていく。そうでもしないと、私が壊れてしまう。
そして。
書きながら、孤独。
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コンサートで強く感じたのは、ああ、この人は孤独なんだな、と。伝えようとすればするほど、孤独は際立つ。自分を際立たせることは、自分と他者との、違いを明瞭にすること。華やかなステージに立つ彼女と、ネットの片隅にことばを投げる私の、だけどそんなに違いはないと思うよ。
前はただ、あふれたものを集めて、ことばにのせて、書きとめていた。だから場所はどこでもよかった。ノートの切れ端に書きとめて、授業中小さく結んで、友人に送ったりしてた。それでよかった。
今は、ちょっと違うかも。少し選ぶ。こころの中に、ちっちゃな草原、みたいな場所があって、そこでことばたちが遊んでいる。きっとフリスビーを追いかけたり、わけもなく坂道で寝転んだり、そんなふうにして過ごしている。
その場所は、私には見えない。だけど、そこから出てきたことばたちって、どこか満ち足りた表情なんだよね。
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表現。表わすこと。現れること。私というフィルターを、通した世界を書きとめること。
それがどんなスタイルであれ。それを読んでくれた誰かに、何かを残せればいいなと思う。強さとか弱さとか、それはあんまり関係ない。ただ、野をわたる風のように。
時々思う。
詩は、祈りに似てる。
どこか遠い窓で暮らす。あなたのために。