ジューン・ブラインド
あおば

               080611





六月になると
ブラインドを用意する
晴れたら暑い季節です
陽に焼かれ
暑いのは我慢して
幼い声でいわれても
降りるつもりが無くても
降ろされたり
強く引かれて
丸まったまま落っこちたり
ブラインド稼業も楽ではないと
プライドも忘れ
根性のないブラインド野郎は
明日こそは夜逃げして
もう少し暮らしのよい家に
落ち着いて
無理矢理
降ろされることなく
夏の日を過ごしたいものと
考えている

生まれつき
ブラインドタッチが出来るのだから
ワードとエクセルも覚えて
会社勤めをするのもよいかも知れない
そこで
素敵なお嬢さんに巡り会って
上がりっぱなしになるのも
悪くはないですね
そんなことを企んでいる生家のブラインド
弟の部屋から光を遮って
暗くしているのだが
口惜しいことに
彼はそれに気がつかないで
根暗なのは
父母からの遺伝だと信じている




自由詩 ジューン・ブラインド Copyright あおば 2008-06-11 23:14:28
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