落下する星
ゆうと


真夜中のはなし
ぼくは窓辺で涼んでいたら
ぼくのピックが
(ポケットからこぼれ出て)
となりで眠っている女の胸を裂いた
そうして
闇がひろがっていくのを
ぼくはただ見ていた
銀色の音を奏でながら
星が点滅しているのだ
まばたきをすると
星は落下していった
死んでしまったようだった
女のからだは浮いている
しずかに寝息をたてている
ぼくは起こさないようにと
やさしくピックを抜いてやった
すると
闇は女の胸へと吸い込まれていき
女のからだはベッドの上に置かれ
窓の外で突風が吹いた
(雨のにおいだ)
ぱらぱらという音とともに降ってきた
ぼくはそれを見ていると
女が寝返りを打ったので
窓を閉めることにした
鍵に手をかけると
窓の外ではフラッシュが焚かれ
ちいさく(どかん)と音が鳴った
ぼくはカーテンを閉め
何事もなかったように
ベッドのなかへともぐりこんだ
目をつぶると数秒で
ぼくは眠りに落ちていった




自由詩 落下する星 Copyright ゆうと 2008-06-07 22:59:27縦
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