割れた曇り空の下の紙飛行機
灰色の夢の中

適当に折られた紙飛行機
美しく空を舞う事もせず
真っ直ぐに地球にに衝突した

派手に形を崩して
オーナーに見捨てられた飛行機は
車の巻き起こす風で舞い上がって
車道に着地した
直後車に轢かれて真っ二つ
踏まれた方はコンクリートにめり込んだ

もう片方は
車達の起こす風で再び舞い上がり
近くに工場のある油の滲んだ水溜りに真っ逆さま
通り過ぎる人に踏まれ
犬に踏まれ
段々ボロボロになっていく

何日かして水溜りは干上がり
ボロボロの紙は風化しかけていた

「書道とか画材とかの用紙に生まれたかった」

半分埋まったボロボロの紙に冷たい風が通り抜けた


散文(批評随筆小説等) 割れた曇り空の下の紙飛行機 Copyright 灰色の夢の中 2008-06-01 21:58:40
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