割れた曇り空の下の紙飛行機
灰色の夢の中
適当に折られた紙飛行機
美しく空を舞う事もせず
真っ直ぐに地球にに衝突した
派手に形を崩して
オーナーに見捨てられた飛行機は
車の巻き起こす風で舞い上がって
車道に着地した
直後車に轢かれて真っ二つ
踏まれた方はコンクリートにめり込んだ
もう片方は
車達の起こす風で再び舞い上がり
近くに工場のある油の滲んだ水溜りに真っ逆さま
通り過ぎる人に踏まれ
犬に踏まれ
段々ボロボロになっていく
何日かして水溜りは干上がり
ボロボロの紙は風化しかけていた
「書道とか画材とかの用紙に生まれたかった」
半分埋まったボロボロの紙に冷たい風が通り抜けた