模索する太陽
あおば

             080531


不足した太陽を
100匁200円で売っている
皮肉な顔の
乾物屋さんの店先で
メートル法が施行されても
小学生は驚かない
学校で習った度量衡法は
メートル法になっていて
教科書では
グラム単位で給食を食べていたが
お魚屋さんの
お店の小父さん小母さんは馴れてない
100グラムとはどのくらい
アタマの中で悩んでいるが
秤の目盛りの内側に
グラム単位も刻んであって
今までは使わないからなんの印か
気にもしない
明日からは内側が正しくなって
外側の匁の刻みは使えない
大正時代からメートル法へと
尺貫法を廃止され
昭和26年(1951年)計量法が施行され
8年間の準備期間を経たの後の
今のこの日を待っていたのです。

不足した分量を秤に載せて
ぶらぶらと帰宅する
母は静かに休んでいて
家の中は静まりかえり
誰も住んでいないみたいです。
冷蔵庫は隣の家にはあるのですが
私の家にはありませんから
痛みやすいお魚は
夕方に
兄姉が買いに行き
すぐ焼いたり煮たりして頂くのです
遅く帰るとなにもありませんから
遅く帰る人はおりません。
電車はいつまでもゴトゴト走っておりますが
夜更かしすると叱られますから
遠くの2両連結の電車の音を聞きながら
眠りにつくのです。
朝起きると東の空には
ぼんやりと太陽が輝いていて
眠気を晴らしてくれます。
ごはんを頂いてから
学校に急ぎます。
ごはんは誰が炊いていたのでしょうか。
早起きしてごはんを研いで炊いていた人が居たのは確かです。






自由詩 模索する太陽 Copyright あおば 2008-05-31 00:21:34
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