あおば

             080525



すべての商いを忘れ
品川駅に行く
新幹線に乗って
旅をする
南から来た男が
北から来た男の顔を眺める
擦り傷から血が滲み
転んだのか
それとも
殴られたのか
不明のままに
別れて
それ以来
会わない

すべての業績は君のものだ
捨てられたことばを書いた
広告の裏紙は汚されて
しわくちゃで
束にしてもぼこぼこして
落ち着かないが
きっちり紐で縛り
自転車の荷台に積み上げる

すべての記憶を失って
床の上で眠る
朝が来たので起きる
太陽が昇る
風が強いが
ほいほいとついてゆく
遅れたら
日干し煉瓦のように
積み重なって
脆い壁になる




自由詩Copyright あおば 2008-05-25 03:42:29
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