防災無線
あおば

                   080515





ゆるやかな坂を少し下ると
いつのまにか
なだらかな丘が出来ていた
防災無線のアンテナも立っている
狭い階段道を登り
丘の頂上に立つと
麓の家々が平たく見える

防災のため
再開発の噂もあるが
費用は誰が負担するのだろう
素朴な疑問を抱いたまま
坂を下り
なごやかに出社して
一皿400円の正札を引き抜き
500円に書き直す

5月だから
エアコンはまだ使えない
「地球に優しく
省エネにご協力下さい」
さわやかに
ハーモニカを吹いた

/それでも/暑いと/文句をいう/人は/
自分勝手な/少しも/地球に優しくない/
寒い人/
暑苦しいBGMを止めれば
一皿400円のままでも
採算がとれるのですと
すずしい顔して
地団駄を踏んだ




自由詩 防災無線 Copyright あおば 2008-05-15 20:53:09
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