夏、刹那
ゆうと



プール
プールに浮いている罠
ぼくは見抜けない
きみに囚われた



なびく
たゆたう
におい


プール
プールに沈む眼が
ぼくを見ている
空 見透かして



なびく
たゆたう
におい



ゆっくりと
浸水していく
はだかの足が
ふらついて


クロールして
クロールして
息継ぎをして
きみを見て


まぶしい
しぶきを
かきわけて
ひかりを
吸い込む
一瞬で



視界のすみで
ぼくを見ていた
きみの眼が
きみの眼が


焼きついて
はがれない
こげくさい
胸の奥




なびく
たゆたう
におい



ぼくたちの
夏は
こんなにも
刹那です





自由詩 夏、刹那 Copyright ゆうと 2008-04-19 23:45:26
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