とても長い廊下
因子

白い 白い
あははしろい しろい
耳に息を吹き込んでくる、
あははしろい しろい

どこにもいけない、
どこにも続かない、
そういう廊下があることを知っている?
だってごらんその窓に映っているのは
君の顔じゃないだろう




君の顔じゃないだろう





ほら
白い 白い



どこにもいけない、
どこにも続かない、
そういう廊下があることを知っている?
床下から板ごしに君の足の裏を
撫でてあげる
舐めてあげる










真っ暗なにもない真っ黒のなか
数人が小さな小さなともしびを囲んでいて
どうしてだかその中にまじっていた私は
丁度ともしびの向こうにいた母が
絶叫するのをききました

剥いた目玉は
白い 白い

そのときの足元から落ちていく感覚が
まだ
両手と
両足から
抜け落ちて
くれない
のです




終わらせてください
終わってください
終わりなさい
お願いです
お願いだから
終わらない
終わらない
終わってくれない


自由詩 とても長い廊下 Copyright 因子 2008-03-31 19:40:02
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