まっているのにまだ来ないひとかけら
因子

きっとまだ、終わりではないのだ。



わたしは何をゆるされていて何をゆるされていないんだろうか
わたしはひとを傷つけることをゆるされていない、
ほんとうにそうだろうか
わたしはひとをあやめることをゆるされていない、
ほんとうにそうだろうか





羨望が嫉妬になり
嫉妬は哀れみになった
そして哀れみは羨望になった
わたしのうたったことばは屑であり
わたしのわらったことばは
わたしに突き立てられた





いくつもの交錯する現実のなかで
ただ息をするひと区間が
わたしには必要だった




きみはそれでいい、
ただ呼吸をするだけの日常をわたしに手渡して、
いなくなればいい





まだ、終わりではない。
まだ生きているから、終わりではないのだ。
まだ。


自由詩 まっているのにまだ来ないひとかけら Copyright 因子 2008-03-29 21:43:15
notebook Home 戻る  過去 未来