城之崎二手次郎

 駄菓子屋のおばあちゃんは、いつも居眠りをしていた。だから子供たちによく万引きをされた。ある日、閉まった店の戸に、閉店のお知らせと書いた紙が貼られた。子供たちはみんなが万引きをしたからつぶれるんだと思った。出し合った小遣いを封筒に入れて、こっそりポストに入れた。一ヵ月後、店は再び開いた。店の入口には、こんな貼り紙があった。子供たちへ、そして、かつて子供だった皆さんへ。お金は確かに受け取りました。

あとがき。
二〇〇字物語第二十三弾。


散文(批評随筆小説等)Copyright 城之崎二手次郎 2004-06-25 18:21:22縦
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