かえる ほとり
砂木

暮らしてゆく
かこいの上

眺めると流れがある

土から 
かえるためだけに
乞う 涙ではない

吹きなれた風の足が
ところどころ 無くした
甘いくぼみに にゃーと泣く

逆らわずに
避けられずに
朽ちていった笑みのほとり

かまわずにおいていって
約束だけ残して

水脈の途切れた土地の
枯れない孤独

包むものもなにもないけれど
眼を閉じて 囲う夢の街

眺めると 眠る川
流れる 真昼



自由詩 かえる ほとり Copyright 砂木 2008-02-03 22:50:02
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