よいお年を。
山崎 風雅
仏教の教えに、十界論というのがあります。生命の境涯の世界を十に分けたものです。下から、地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人界、天界、声聞界、縁覚界、菩薩界、仏界と上がっていきます。日本の仏教では、死んでから行く世界として説かれていることが多いですが、これは、今、現在の心の境涯を表すこともできます。
地獄界とは、文字の通り、何もかも自由のない境涯で、餓鬼界とは、欲しいものが手に入らずに苦しむ、畜生とは本能のままで愚か、修羅とは闘うことばかりに専念して、人界とは穏やかな境涯、天界は欲望が満たされて喜び、声聞、縁覚とは仏の教えを理解することができ、菩薩界とは、人を成仏するのを助ける行いをする境涯、仏界とはどのような境遇にあっても絶対的幸せを実現する境涯です。
死んでから行く世界というのは、無知な人に解りやすくした譬えで、生きている僕達が現実の中で、体験する精神的境涯と言えるでしょう。
誰もが、今や過去の自分、他人の精神状態をこの十界のなかに当てはめることができる筈です。
精神的境涯もそうですが、地域や国の境涯も当てはめることができます。例えば、戦争ばかり、暴力的描写の映画ばかり作るアメリカなんかは、大まかに言えば修羅界と言うようにです。
しかし、境涯は変わります。
僕も青春時代はまさに地獄界でした。引きこもり、家庭内暴力、精神病と地獄そのものでした。餓鬼界は、誰もが、子供時代に経験するし、怒りに狂った時は修羅界ですし。
そんな僕も、いろんな経験をして、人界の穏やかさも知ったし、望みが叶って天界も経験することもありました。
こうやって、仏の教えを発表するのは菩薩界であるとも言えるし、これを読んで理解する方は、声聞、縁覚界とも言えます。
さて、本題に入りますが、どうすれば、境涯を変え、仏界に近づくことが出来るでしょう。
心の境涯は一瞬、一瞬変化していきます。なんの努力せずにいると、六道輪廻といって、地獄界から、天界の間をぐるぐると回っていくしかありません。
僕の経験では、どんな苦しい状況に置かれても、覚悟と勇気をもって、行動することが、新しい境涯を開く鍵になったと思います。
すごく偉そうだとお思いの方もおられるでしょう。宗教的で受けつけないと言う人もいるでしょう。興味ない人もいるかもしれません。
しかし、このようなフォーラムに参加して、真理を探求しているような人達には、参考になることが多いのではと思い、詩人としては、三流の私が、2007年の締めくくりに、経験したことを発表したくなったのです。
来年には結婚することになりました。このフォーラムではしがらみをつくりたくないと思い、
作品のみの評価をしてもらいたいとの意思から、コメントもしてませんで、無愛想な奴だと思っている方もおられるとおもいますが、皆様の幸せをこっそりと願っている一人であります。
この一年お世話になりました。よいお年を。