カモノハシのパンセ2
佐々宝砂
過去の私をキリコロセ。
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GKって切ないポジションだ。守るのが当たり前で、楽勝の試合では目立たないのが当たり前で、しんどい試合のしんどい瞬間だけ目立って。
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好きに呼べばいいのだ。私は、他者が私をなんと呼ぶかなんてことまで決定する権利を持たない。私はただ好きに名乗る権利を持つのみ。
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私が待つ女だと思うとんのか、出直してこい。バカ。
(あ、でも、出直して来てください、待ってますので)
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私は私の好きなものが好きで、好きだから好きだと言いたいだけ。私の好きなものがためになるとか高尚だとか文学的だとか芸術的だとか言わない。いまはそういうことを言う必要性を感じない。
ただ好きなだけ。好きなものは好き。ほんとに好きだから好き。嫌いなことについてしゃべるのは苦手。好きなことについてしゃべりたい。大好きなことについて。そしたら苦手なものや嫌いな人のことを忘れられる気がする。
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私が二日働いただけのお金で、アフリカの子どもが三ヶ月学校に行ける。経済って、とても不思議。
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死んだら殺すぞ。
死ぬな。
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痛みを全く感じないひとは、怪我をしまくる。自分の舌を自分で噛んで壊してしまう。自分の歯さえ自分の舌で押して抜いてしまう。頬の肉は自分で咬みちぎってしまう。飛び跳ねれば骨折する。熱いのがわからないから火傷すればとてもひどくなる。盲腸になっても痛まないので、見過ごしてしまって死ぬ可能性が一般人より高い。つまり、痛みは人間に必要な機能だってこと。
で、考えてみる。
悲しみがわからないとどうなるか? 悲しみがあるのは、それが人間に必要な機能だからじゃないのか。
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I won't cry,
ただしやっぱり条件付きだ。
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繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し
同じことの繰り返し 微妙に違う繰り返し
繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し
似たようなことの繰り返し 蓄積のない繰り返し
繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し
われらみなシジフォス。
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三十歳になったら真珠が似合うようになるんじゃないかと思ってた。今は四十歳になりゃ似合うかも、と思う。
我ながら、なんたるオプティミスト。
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少しでも不安になるなら、占いも宗教もUFOも信じないほうがいい。当たる占いをつくるのは実は簡単だ。私の占いはわりとよくあたる。その理由を私は知っていて、だから私は占いを信じない。
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私はしみじみいい加減だ。でたらめで脳天気でアホだ。卑下ではない。好きで、否、努力の結果いい加減なのだ。ときどき真面目な人に申し訳ないと思うけど。
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ほんとは優しい人に対して「ほんとは優しい」などと言うのは禁句です。
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悩んでも免罪符にはならない。罪を自覚しても免罪符にはならない。どんなに真摯であろうとも、免罪符にはならない。ならない。
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世間って、間です。人間って、間です。人と世界、人と人同士の間がどのくらい開いてるか、くっついてるか、間にいったい何があるか、間に何をおくべきか、そゆのが世間であり人間であるのではありませんか。
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言葉を消してもなにかはのこる。不適切な表現なんて存在しない。どんなに無茶苦茶な間違いだらけの言説だって、存在意義はある。消されていい言葉ってなんなんだろう。わかんない。すなおに、わかんない。
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憂国は陶酔に決まってる。陶酔がいいものかどうかは保留。
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