目が覚めると
イチカワナツコ

確かなモノなんて
なにひとつないのに

さっきまでキミがここにいて
朝ごはんを食べるキミのそばで
あたしはミカンをむいて
眠いねって


あまりに眠くて
キミを見送った後もうひと眠り
目が覚めると

さっきまでキミの寝顔がとなりにあって
あたしの腰にまわる腕から
キミの生きるままの重さが伝わって
それはあったかくて
心地良い重みで
でもかなしみ以上の何かを
含んだ重さだと知っているから

数時間前に目に映った映像が
次々に頭の中に浮かぶ
寝る前に話したこと
手と手を触れて眠ったこと
寝起きの声


キミの読み散らしたマンガが
こたつの横に積み重ねられている
それは確かにキミがいたことを証明していて
でも同時に今、いないことの証明で
あたしはまだ
夢の中にいるようだよ

さっきまでキミがここにいて
いってきますのキスをして
笑って見送った

分かっているのに
目が覚めると
確かめたくなる
確かなモノなんて
なにひとつないのに












自由詩 目が覚めると Copyright イチカワナツコ 2007-12-01 15:27:02縦
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■孤独