放課後
yoshi

真っ白な

雲の向こうに見えた君の笑顔は

いつの間にかぼんやりとぼやけていく

夢の向こうの向こう側

机の上に突っ伏して

開いた教科書の中にいる

ふてぶてしい男の顔には

マジックの髭がある

隣の席のイイジマが

ゆさゆさ膝をゆするから

カタカタカタカタと

机が小さく泣いている

オンナが出来たイイジマからは

似合わないコロンの香り

くしゃみが出そうになるのをこらえて

ケツの穴に力が入る

せっかくあの子の夢を見てたのに

誰かのくしゃみで目が覚めた

ボールペンをくるくると器用に回しながら

あの子の笑顔のその次に

焼きそばパンを思い出す

学食裏のプールに続く階段の

下から数えて3段目

お気に入りの場所でかぶりつく

焼きそばパンのあの匂い

想像していたらムショウに腹が減ってきて

腹の虫が鳴かないように

もう一度ケツの穴に力を込める

あとで3組に行ってみよう

あの子の笑顔が見たいから

努めて用事がある風を装って

イケメンのオオタに部活の相談を

している振りをしながら

ついでな感じであの子を誘おう

一緒に焼きそばパン食べようよ

僕のお気に入りの階段に座って





自由詩 放課後 Copyright yoshi 2007-11-29 00:28:03
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