冷え切った冬の最果て
アオゾラ誤爆

産まれたのは透明な冬
冥王星のなまえをもらった



彼女は海に飛び込む
後姿は蝶の背骨
白い指で息を止めても
朝はきっと来ない
細い髪がやわらかくゆれる
スローモーションで罅割れる肌に
突き刺さる

いのる、くちびるの、僅かなうごきで
紡がれた物語
誰も知らない物語に
なみだする


寝台
結露した窓に
はりつける頬は冷たい
流れる景色にみとれている
空気は凍って
モノクロの古いフィルムが
網膜に灯す像だけ
色あせながら尽きていく


鳴き声が聞こえる


割れたガラスを拾い集めて
コンクリート傷つけた
彼女がみてた夢を描くんだ
失くした指輪のことも
わすれて



叫んでいる?



消えたのはとうめいな冬
呼ばれて連れて
ころんだきりの




自由詩 冷え切った冬の最果て Copyright アオゾラ誤爆 2007-10-31 19:48:54縦
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