ジオ
風季




黒い火薬に火をつけて
炎の色をさらさらと崩しながら
風に流したの

風があるから
ほんとにきれいなのよ




教室の窓から腕を伸ばすと
煙の瞼を閉じて龍は
嬉しい、という

ゆびさきから哀しさが伝ってきた夢





ジャックやシフトやバイパスも
摩り替わったり断ち切って
私はときどきしかここにいない

親指に生えている爪が瞬いて
いちどきに真っ暗の中
身がすくむけれど
現実に帰るにはこれしかなくて





お別れのことば を目頭に込めて
シュレッダーに流し込んだ
箱から溢れてるのにOFFを押せない
だって
こんなに自分達が混合したのなら
あのとき泣かなかったはず




ねえ、会えないの と言わない
息が詰まるならその侭でいよう
(喉の裏、その真下で臨終しようね)

疲れた所為だって言って
二日眠っていれば
誰も笑わないよね

会いに行こう
アイマスターは忘れない


未詩・独白 ジオ Copyright 風季 2007-10-29 20:31:29
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