甘党≧辛党
Affettuoso [アフェットゥオーソ]



  砂糖は山盛り三杯
  白くなるぐらいミルクを入れて
  少しぬるいぐらいの温度で
  こんなコーヒー僕はまさか飲めないよ
  甘党で猫舌な君のためさ



     あたし、あまとう、なの。
     一目瞭然だね
     あなたはあまいものがすき、かしら。
     僕はどちらかというと辛党だね


善は急げ、が座右の銘と豪語する君
(甘党なのに渋いこというなぁ)
次の日早朝にはキムチを片手に現れる


     あたし、あまとう、なの。
     知ってるよ
     あなたは、からとう、なのよね。
     そうだね
     いっしょに、きむち、たべてあげる。


僕は頭を少し掻き掻き
早朝に押しかけてきてキムチを食べろという君は
僕がキムチが苦手なことを知らないんだね(教えておいたらよかったな)
辛党のちゃんとした意味も君に教えてあげなきゃだけど
(辛党っていうのはね、甘いものよりお酒が好きな人のこと)
辛党=辛いものが好きな人って思ってる君が
おかしいのに可愛いくて
甘党な君がきっと涙目になりながらキムチを食べてるのが
おもしろいのに愛しくて

あなたの、すきなあじ、あたしも、きっとすきになる、だから。
なんて満面の笑みには敵わなくて(僕はキムチが苦手なんだけれども)

 僕はやっぱりこうして君とキムチを食べてる
 君はやっぱりこうして涙目でキムチを食べてる
 だからそんな君の目蓋に優しいキスをして
 あとで甘いおやつにしよう




  砂糖は山盛り三杯
  白くなるぐらいミルクを入れて
  少しぬるいぐらいの温度で
  こんなコーヒー僕はまさか飲めないよ
  甘党で猫舌な君のためさ

だけど今日はこの溶けるように甘いコーヒーを一緒に飲もうかなぁ







自由詩 甘党≧辛党 Copyright Affettuoso [アフェットゥオーソ] 2007-10-25 23:41:05
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