出来るのなら
乱太郎


あなたが感じた
その美しさを
僕の手のひらで触れることが出来るのなら

あなたが感じた
その痛みを
僕の右足で蹴ることが出来るのなら

あなたが感じた
その優しさを
僕の頬がさすることが出来るのなら

あなたが感じた
悲しみを
僕の片方の耳で聞くことが出来るのなら

僕はあなたになって
感じるのだろう
そして
知るのだろう
あなたの深い絶望を
暗闇に落ちた小さな星を


あなたは
僕を必要としていないのかもしれない
あなたは僕を直視することはないから
無機質な眼差しが
彷徨っているだけだから
無意味な今日を生きるために

僕も
あなたを必要としていない
そこにいたから
温もりのある眼差しは
偽善でしかない
あなたとともに
無意味な今日を生きたいから


出来るのなら
あなたの星を拾ってみたい

あなたと
明日を見てみたいから



自由詩 出来るのなら Copyright 乱太郎 2007-10-21 20:49:26
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