情景
ひろっち

婆シャツを干す、午前二時。
オッパッピーの真の意味を考えながら、秋の気配に物憂げな淋しさと、

///

場所ごとに微妙に異なる重力を、
肌で感じながら。

///

すっぽんの生き血を飲んで、
赤飯を食べて、
スカートが朱く染まる。

///

呼吸。

とともに二酸化炭素が吐き出されて、
酸素濃度が低下して死んじまったカメムシ。

白いアサガオがカメムシをそっと包み込んで、婆シャツが大陸の風に揺れる。
生き永らえる意味を反芻し、
麦飯を咀嚼する。

///

すっぽんの甘い生き血は五臓六腑に染み込んで、

///

午前二時、
洗濯物をたたむ。
ほつれた糸くずを、ごみ箱に解き放つ。

呼吸する。
おまけ程度に鼻毛が揺れる。


未詩・独白 情景 Copyright ひろっち 2007-09-30 02:36:03
notebook Home 戻る