本当にあった怖い話。
菊池ナントカ


脳内で死に場所を探していた。
飛び降り自殺が出来る処よ。
コレは独り言じゃないし、私の頭は覚醒している。
貴女へ話しかけているのよ。

風邪等拾ってきてしまったばかりに喉が痛い喉が痛い喉が痛い。
腱鞘炎の右腕より痛いわ。
だからいっそ飛び降りたい。


飛び降りた死体がどうなるか私、知っているわ。
中学生の時に見たのよ。
お巡りさんらしき人がチリトリとホウキを持って血を掃いていたわ。
死体は向こう側を向いていたから、どんな顔してたから知らない。
ただビッシャアァって叩かれた感じで血だらけで。
「何かの撮影?」って先生に皆で言ったら「今に警察が来るから早く急ぎましょう」ってせかされたわ。
周りは淡々と、淡々と、空気が流れていたわ。

一つ上の先輩は「あの人悩みでもあったのかなぁ、私でよければ相談にのったのに。」とか、目的地で絵を描いている時に言っていた。
そんな事言ったら憑いて来ちゃうよって私言ったっけ。

先輩は今は何をしてるのかなぁ。
アレから5年、6年、7年たっても記憶から消えてないのが不思議ねぇ。
いや、もしかしたら私あの時から呪いにかかっていたのかも。


お母さん、お母さんがつい最近まで浮気していた事を長女と次女から聞きました。
胸が張り裂けそうでした。
間男というんですか?浮気相手の顔も知っています。
何より愛すべき父を知っています。
お母さんはあの素晴らしい父を騙して浮気したんですか?
そして私を騙して浮気したんですか?

「秘密ね、」と長女に伝えた事が次女にアッサリ伝えられ罵声を電話ごしに伝えられた、私は決して悪くないのに。

「家族以外信用するな」と次女に言われたけれどソレ以来誰も信用なんかしてないわ。
優しくされたら涙が出るだけ。


まだ誰にも言っていない話よ。
貴女に話しているの。
本当に寝ていますか、お母さん。

素晴らしき死に場所は何処?
独りで死にに行きたい。

全てフィクションだったらいい。



未詩・独白 本当にあった怖い話。 Copyright 菊池ナントカ 2007-09-20 14:58:46
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